石川県立中央病院1階に小児科外来(小児内科、小児外科)があります。
その待合の壁と天井、診察室横のサイン部のアートワークを担当しました。
前回の記事「石川県立中央病院 小児科アートワーク 1(前書き)」に書きましたように、進行中に壁紙印刷が不可能になり、課題が与えられました。
・四季によって絵が変わった方がいい。
・壁もドアも、アートワークは取り外し可能な施工方法をとりたい。
まずは、待合の壁。
さて、これをどういう形にするか。
設計会社の方が、壁面にパネルを差し替えることができるフレームのようなものを設置し、四季によりパネル(絵を印刷したもの)を変えてはどうかと提案くださいました。
でも、それでは普通の病院に絵を飾っているのとあまり変わらないので、もっとおもしろく、楽しいものにできないかなあと提案したのがこれです。
待合の中心には、子どもたちが靴を脱いで上がり、遊んだり本を読めるプレイコーナーが設置される設計になっていたので、その部分の壁に巨大紙芝居の舞台を作ってはどうかという提案です。
その中に、四季ごとに絵が違うパネルを差し替える、そういうもの。年に4回絵が変わる紙芝居です。
その舞台の左右の壁には、木々のシルエット、リスが木に登り、鳥たちは木にとまったり、紙芝居舞台に向かって飛んでいます。
舞台に到着し、屋根にとまって絵をのぞき込んでいる鳥もいます。
木々のシルエットはカッティングシート、鳥やリスはアクリル板を使ったレリーフを提案。
レリーフは、透明アクリル板に印刷をするのか、直接ペイントするのか、そのあたりのことを業者さんを交えて打ち合わせしながら決めていき、直接ペイントすることに。
実際に使う壁紙をいただき、仕事部屋の壁に貼ってシミュレーションしていました。(今もまだ貼ったまま)
そこにカッティングシートの色を決めるためにプリントアウトしたものを枝の形に切って貼り、色指定するチップを選んだり、
レリーフのつもりで描いたものを貼ってみたり。
こういう作業にかけた時間がとても多かったです。
未経験のことということもあり、頭の中だけでは決めることができなかった。
サイズ感も、図面だけではわかりません。
レリーフの形状を小さく絵に描いたもの。
拡大率を指定し、アクリル板を切ってくださる業者さんに。
カッティングシートを切っていただくための絵。(縮小)
そこに、リスや鳥のシルエットの絵(上の写真)をコピーしたものを乗せてみて、仕上がりをイメージ。
透明アクリル板に着色しているところ。
まず下地として白い絵の具を。
初めての体験。
レリーフ完成。
そして、中央の舞台は木で作ることになりました。
私のラフスケッチをもとに設計会社の方が図面を起こしてくださり、大工さんが作ってくださいました。
まわりの部分は、指定した色の絵の具で塗っていただき、カーテン部は私がペイントしました。
私のわがままで、自宅でペイントできるよう運んでいただきました。
これもまた初めてのこと。
初めてのことばかりで、毎日ドキドキ緊張していました。
でも楽しかった!
できないことはないものです。
カッティングシートと木舞台が設置された状況がこれです。
木舞台は巨大で、中に入れるパネルは、横180センチ。
そのパネルの絵は、同じ場所の四季を描くことにしました。
そこは動物園にいる動物ではなく、石川県内の自然の中で出会える生き物と子どもたちの絵にしようと。
そして、四季は、石川県の四季です。冬には雪が積もります。
長くなってしまうので、パネルの絵を描くところからは、次の記事に。
次は、外来待合の壁が完成、天井にも絵が入るところまでを書こうと思います。