さて、わたしのことです。
ネコさん関連のことを書き出したら思いのほか長くなったので、ネコ篇として分けました。
私の人生の半分はネコ…ってことかしら。
金沢に引越して来てから、ホントはのんびりと絵本の制作をしようと思っていました。
お誘いのある企画展に向けた絵の制作と絵本の制作。
ところが、引越して間もなく、ある仕事が入ったのです。詳細はまだ書けないのですが、子どもたちのことを思って描く壁のお仕事と、誰もの家の中にある場所の壁のお仕事。
不思議です、なぜ同時に2つも壁。
どちらもやりたいなあと思った仕事なので、やろうと決めてお引き受けし、でも思った以上に自分の決めたスケジュール通りにはいかない内容だったので、予定通りには進まずに、そのスケジュール調整に苦労をしている状況で1年が終わりました。
年を越してまだ続きます。
この一年、企画展に向けて描いた絵がいろんな場所に住む方々のもとにお迎えいただいたこと、それはわたしがいましていることが間違っていないんだなあと安心できる、幸せなできごとでした。
描きたいように好きに描いていいのだよね、と確認できることでした。
わたしの絵に何万ものお金を出して下さる事、とてもありがたいことです。
心から感謝しています。
じつは一年、わたしはさまざまな場所でのプロフィール欄に「絵本作家」と書く事に躊躇を感じていました。
そう書いてもいいのかなあ、と自信がなくなってきていました。
2012年、ガンの治療をしていた1年近くはいっさいの仕事を断り、そのあとは2013年から少しずつ少しずつ、回復する体力に合わせて挿絵のお仕事をお引き受けしたり、企画展への作品を描いてきました。
今年はじめに出版した絵本『コトリちゃん』(作・とりごえまり 絵・やまぐちめぐみ)が2011年10月に出した『ロバのポコとうさぎのポーリー』以来です。でも物語を作っただけ。
作・絵の本はもう5年出していないことになります。
治療が終わったあと、作る気力と体力がありませんでした。
きっとそれは徐々に戻るだろうと自然にまかせていて、2014年が終わるころ辺りから、作れるかも、、、と思い始めていました。
出版したいとおっしゃって待っていて下さる編集者さんとお会いし、さあがんばろう!と思ったところに、母の急逝、そして少し元気が出て来たころめぐみさんが亡くなりました。
わたしの気持ちは思っているよりもろいのか、なかなか心の体力が戻るのに時間がかかるようです。
でも、そろそろできるはずだと思っています。
作りたいと思っています。
ただ、この5年の歳月は、わたしの中のいろんなことが変わってしまい、たぶん以前のような絵本は描けません。
そして、描きたいと思えないのです。
できることなら新人として出したいくらいなのです。
別の名前で出すか、いやいやそうしたって絵は変わったようで変わらないものだからすぐにバレるだろうし、いままでの自分のしてきたことに誇りをもって、とりごえまりとしてやはり出すべきだろう、などとどうでもいいようなことを何度も考えました。
まわりの絵本作家さんは絶え間なく次々と出版して行く5年間で、そういう自分に引け目も感じました。
いろいろ迷い、いろいろ考え、いろいろ躊躇したけれど、やっぱり絵本を作りたいのだという答えは出ています。
それはいつになるでしょう。
来年実行出来るか、再来年になるか、もしかしたらもっと先になるのか。
それはわからないし、自分に問いかけながら無理なく、本当に描きたいものを描こうと思っています。
それが来年以降の目標です。
ここにこんなことを書き、いままでの40冊近い絵本を出していただいていた出版社の方々が読んだら、敵に回す事になるのかもしれません。もしかしたら求められていたのは、以前のわたしなのかもしれないし。
なので、新人に戻った気持ちで作ろうと思っています。
なかなか出してもらえなくなるかもしれません。
でも、自分が本当にやりたいことだけやるつもりで、体力と気力を温存しようと思っています。
その前にいまやっている仕事を精一杯やりとげようと思います。
2016年、あと数時間。
今年もわたしの絵を観てくださった方、どこかで絵本を読んでくださった方、ツイッターやインスタグラム、フェイスブックで見ていてくださった方、ありがとうございました。
イライラしたり、たまに泣きべそかいたり、揺れ動く私につきあってくれる家族とネコさんたちに、感謝しています。
(よくネコさんたちに愚痴を言ったり、泣き言を言っています。こわい、、、、笑)
金沢に引越して来てから優しく迎えてくれた友人たち、遠く離れたけれど気遣ってくれる友人たち、ありがとう。
どうぞ、みなさんにとって来年が幸せな1年でありますように。
わたしは必ず幸せに過ごそうと思っています。
よいお年をお迎え下さい。