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ミケちゃん その6
8月に入ってすぐのこと。
抜歯の予約をしたときに、「抜歯の前の1週間、抗生剤を飲ませましょう。もしかすると歯の奥が膿んでいるほどひどくなっている可能性があるので、少し炎症を抑えてから抜いた方がそのあとの治りが早いと思うのです」と言われた。
そして、お薬をもらいに行き、1週間1日1回、ごはんに混ぜて与えた。

すると、まだお薬を与えて2日しか経っていないのに、食べっぷりがよくなり、頻繁に部屋から出てくるようになり、「アオーッ」という叫びも少なくなってぐっすりと長く眠るようになった。
薬が効いてこうなったのであれば、ほんとにとても歯が痛かったのだろう。
抜歯すれば、もっと快適になるからね。


そして、抜歯をする日を迎えた。
当日は朝5時以降水以外の飲食は禁止。(全身麻酔を使うので)
抜歯は11時からだ。
夜寝る前のごはん以降ずっと食べないのもかわいそうだなと、5時前に起床。
アラームをセットしたが、そんなの必要なく、心配で心配で3時半から目が覚めていたわたし。




早朝ごはん食べたあとのミケちゃん。
このあとの運命をまだ何も知らず…。


抜歯は無事に成功。
11時に導入麻酔(麻酔前投与薬)をわたしたち飼い主の見ているところでしていただき、そのあと預けてから約1時間後、
「最初から抜く予定だった奥歯以外に、犬歯(牙)2本もとてもひどい状態だったので抜きました。歯石除去と歯の研磨、ポリッシングも終わりました。もう目を覚ましてぼーっとしている状態なので4時ごろ迎えに来て下さい。」と携帯電話に連絡があった。
ミケちゃんは健康とはいえもうすぐ13歳ということを考慮してくださり、強い麻酔ではなく、注射による鎮静剤を何本か使い短い時間で行なって下さったそう。拮抗剤(麻酔から目を覚ませるための薬)を注射してすぐに目を開けたらしい。

お迎えに行ったときはすでにケージの中で目をパッチリ開けていて、「ミケちゃん」と呼ぶと「にゃー」とお返事をした。
先生のお話によると、普通の、子猫の頃から家で育っているネコさんたちとは違っていたと。
鎮静剤を射っても、眠ってはいけないとがんばっている様子があったらしい。
そうだよね、外の世界で気を失ってしまったら最後だものね。
ミケちゃんがどんなふうに13年近くを過ごして来たか、また思い、ちょっと泣きそうになった。





抜歯した牙2本をもらってきたので、消毒したあと撮影。
奥歯は抜いた直後に、取ろうとしたらゴックンと飲み込んでしまったそう。
(前述のように、浅い眠りの麻酔をしたので、ノドを動かして飲み込むことができたそう)


わたしが以前親知らずを抜いたときは、もう痛くて痛くてしばらく痛み止めを飲んでいたものだが、ネコさんは強い。
とくに痛み止めは飲まず、その日は帰宅後じっと眠り、しかも夜中近くにはミルクやヨーグルトを舐めていた。




そして、翌日からは、ゆでたササミとゆで汁をフードプロセサーでガーッとやったペースト状のごはんを、たくさん食べた。


抜歯2日後…



復活。
「おなかすいたわよー」と鳴いた。


そして、謎の雄叫び「アォーッ」はまったくなくなった。
あまり鳴かなくなり、たまに鳴く時も若かったころのミケちゃんの「にゃ〜」に戻った。
もしかしたら、大きな声で鳴こうとしたとき、歯や歯茎が痛いのをかばった鳴き方が「アォーッ」だったのかもしれない。
痛くて思わず「痛ーい!」と叫んでいた時もあるだろう。
発声の仕方によって、力が入ったり舌がふれる場所って違うからね。
それも素人のただの予想で、真相はわからないけれど、とにかく辛いことがなくなったのは確かなようだ。




こんなにすやすやと眠るようになったのだから。

いったいいつから痛いのを我慢していたのだろうね。
外で毎日会っていても気付いてあげられなかった。ごめんね。

でも、家に迎える決心をしたのがいまでよかった。
もしかしたらこのまましばらく外で暮らしていたら、そのうち痛みをこらえて食べるのが限界になり、食べることをあきらめ、私のものとにも来なくなっていたかもしれない。
あぁ、ほんとによかった。


そして、牙を2本なくしたミケちゃんは、もうネズミやカエルを捕まえて食べて行く能力がなくなったということかもしれない。
それは外では生きていけない肉食動物になったということだ。お家のネコ。
責任を持って、最後まで我が家の家族としていっしょに暮らしていこうね。





それからミケちゃんは、とてもたくさん食べるようになり、少しふっくらとし、若かったころのミケちゃんに戻った。
そして、抜歯の1週間後のこと、朝から夜遅くまでわたしたち夫婦が家を空けた日、何かが変わった。
帰宅したら、ミケちゃんがリビングの方から玄関に歩いて来たのだ。
え?リビングにいたの?何があったの?



ミケちゃんの表情が、その日の朝までとちょっと違う。
おだやかな顔になっている。

もしや、3ニャンとネコ会議をしたのか?新ネコ歓迎会をしてもらったのか???


「ねえ、新ネコ歓迎会したの?」とニヤとチャイに聞いたところ、こんな顔をした。




これはしたね。間違いないね。


ネコにはネコの世界がある。
きっとたまにはニンゲンがいない時間があった方がいいのだな。


そのあとまたペットシッターさんにお世話を頼んで3日間家を空けたときも、何の問題もなく過ごしたようだ。
ミケちゃんはシッターさんにも「ごはんください」と鳴いたらしい。すっかりおうちのネコさんだ。





こんなふうに、普通にチャイやコビーがそばにいたり。




最近はキッチンまでごはんを食べに来ることもある。


少しずつ、少しずつ、ミケちゃんがちゃんとこの家に馴染んでいく様子を見るのがうれしい。
4ニャンとのやりとりを見ていると幸せだ。


そして、どうもミケちゃんが4ニャンの中で一番上の位になっているのでは?と思うことがある。
たぶんそう。




貫禄。
女王2代目、はたまた姐御(アネゴ)か。



きっと天国のルルさんも「アンタなら認めるわ。まかせたわよ」と言っていることだろう。




ね、ルルさん。
(初代女王。14歳になった日の写真)









(おわり)


*家族決定になったミケちゃんの様子は、引き続きこのブログやツイッター、フェイスブック、instagramに載せていくと思います。




 
| ミケちゃんが家族になるまで | 20:22 | - | - | pookmark |