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ミケちゃん その5
ミケちゃんを迎えてから頻繁に聞く「アォーッ」という雄叫びの謎を抱えたまま1週間。
健康診断のために病院へ連れて行った。初めて車にも乗る。
ずっと鳴き、心臓はドクドクとなる。そうだよね、怖いよね。
車の中ではずっと撫でながら話しかけた。





診察中、全く鳴かず、抵抗もせず、ものすごくいい子にしていたミケちゃん。
さすがだ。「抵抗しても仕方ないわ」と受け入れたのだろう。肝が座っている。


口の中のチェック、血液検査、聴診器での診察、エコー検査が無事終了。
口の中がひどいことになっているとわかった。奥歯には大きな歯石がつき、歯茎は真っ赤だ。
「いずれこの歯は抜いた方がいいですね。歯石もとってきれいにしないと、口の中の細菌は内臓にも悪影響を与えますからね」といったことを言われた。人間と同じだ。口腔内細菌は病気の原因にもなる。
それから「そうとう痛いのではないかと思いますよ」とも。

そうか、「アォーッ」は歯、口の中が痛いという叫びなのかもしれない。
歯や歯茎が痛いのって辛いもの。ニンゲンだったらすぐに歯医者さんに行くと思う。
そういえば外の老猫さん(私が好きだった律儀なリチオくん)もごはんをひと口食べたとたんに「ギャーッ」と叫んで走り去ったことがあった。そのあと徐々に食べなくなり、来なくなった。
治療を受けられない外の猫さんたちは、歯が痛くて最後は食べることを止め、そのまま弱り死を迎える子も多いのかもしれない。


ミケちゃんの抜歯はいつにしようか、とりあえず血液検査の結果が全身麻酔をして問題ないものであれば考えよう…そう思いながら帰途についた。

そうそう、病院でミケちゃんと他の3ニャンたちの話をしていたら、ミケちゃんのことが気になって仕方ないニヤのことを「ニヤちゃんは事務局長ですね」と先生がおっしゃった。
まさにその通り。
その日からニヤを事務局長と呼ぶことにした。



事務用の黒い腕カバーをしてそうだ。


数日後、血液検査結果が出た。
ミケちゃんは何年か前に、オス猫さんに襲われて傷口が膿むほどの大怪我をしていたので、猫エイズが感染してキャリアになっている可能性についても覚悟していた。もし結果が陽性だった場合は、ニヤとチャイ、コビーに猫エイズワクチンを射てばミケちゃんを隔離しないでも一緒に暮らすことも可能ですよと、病院の先生からは提案していただいていた。
でも結果は陰性。白血病も陰性。あぁ、よかった!
胸をなで下ろす。
その他の数値もほとんど正常。内蔵に問題はないようだ。ただ、白血球数が異常に高く、何らかの細菌に感染しているとわかった。それが口の中の問題なのか、それ以外なのかははっきりとはわからないと。
全身麻酔をかけることができる体だとわかったので、できるだけ早く抜歯をした方がいいなと思ったが、その日をいつにするかまだ決めかねていた。

しかし、まだ口の中の問題は抱えたままだが、エイズと白血病が陰性だったので、晴れて3ニャンと柵なしで対面できる時が来た。
待ってましたと言わんばかりにミケちゃんのいる部屋へ入ってくるチャイとニヤ。



チャイとは鼻ツンしてご挨拶。おぉ、すばらしい。
でもニヤのことはちょっと警戒してるのだろうか、シャーッと威嚇。




「シャーッっていわれたぜ」
ニヤ、落ち込む。




でもその翌日、ミケちゃんがぼーっと眠そうにしているときにニヤが全く躊躇もせずに近づきペロペロと毛繕いをし始めた。
さすがだな、事務局長。

が、小心者のコビーは気になるけれど、近くまでは行けず…。
なかなか距離は縮まらない。





こうして少しずつ少しずつ、ミケちゃんはこの家と3ニャンに馴染んで行った。
ミケちゃんの部屋(私の仕事部屋)から時々出て来て探検もするように。




廊下まで出てくるようになり、



お腹がすくと、廊下を進んでリビングの手前で「おなかすいたのよ」と主張するようになり、




やがてはリビングまで。
やっぱり事務局長はほっとけない。ものすごい歓迎っぷり。



ほっとけない、



ほっとけない、





ちょっとストーカーっぽくもなってますが。
ミケちゃんはたぶん「うざいわ、アンタ」と思っていると思う。
(わたしだったらそう思う)





チャイがそばにいてもミケちゃんは爆睡をするようになり、証拠写真はないがコビーともご挨拶を交わした。

家や3ニャンに慣れて来たことだし、そろそろ抜歯に踏み切った方がいいかな。
ミケちゃんの様子を見ながら、そう決心をした。
8月に入ってすぐ、病院へ連絡をし、12日に抜歯をする予約を入れた。


(つづく)



 
| ミケちゃんが家族になるまで | 12:25 | - | - | pookmark |