CALENDAR
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2024 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
RECOMMEND   
コトリちゃん
コトリちゃん (JUGEMレビュー »)
とりごえ まり,やまぐち めぐみ
RECOMMEND   
RECOMMEND   
RECOMMEND   
RECOMMEND   
MOBILE
qrcode
<< ミケちゃん その2 | main | ミケちゃん その4 >>
ミケちゃん その3
梅雨入りしたころ、ミケちゃんを家に上げることを決め、次は決行する時期を考えた。

引越しをするのは来年に入ってからの予定だが、いまの家で私たちニンゲンふたりと3ニャンとも、ある程度信頼関係を築いてからの方が、遠方への移動のストレスもいくらか軽減されるかもしれない。
そして、万が一ミケちゃんがどうしても外に戻りたそうにしたときに、引っ越してからでは全く知らない土地に放すことになってしまうから、それはできない。
じゃあ、もうできるだけ早いほうがいい。
そう決心がついた。




(2014年11月 撮影)


まずミケちゃんを家に上げる前にしなければならないことがある。
ずっと外で暮らしていたミケちゃんにノミやダニがいてもおかしくない。お腹に回虫もいるかもしれない。
それらを駆除してからでないと、我が家の3ニャンにも寄生し、たいへんなことになる。ニンゲンにも被害が及ぶ。
そこで、ミケちゃんを家にあげようと思っていることを我が家の3ニャンの主治医に相談した。
ノミの成虫、回虫を駆除し、ノミの幼虫や卵にも効果がある、リボリューションというお薬を使いましょうと提案していただいた。

その薬は液体を首の後ろ辺りに垂らす投薬方法なので、つけた後雨が降って体が濡れてしまったら効果は薄れるだろう。
だったら、いつ雨が降るかわからない梅雨の間はやめた方がいいのかな…梅雨が明けるのを待った方がいいのかな。
そんなことを思いながら、毎晩ミケちゃんに接し、まだいつにするか迷っていた。

不思議なもので、『ミケちゃんを家にあげよう』と決めてからは、毎夜ごはんをあげに行くときの気持ちに変化があった。
「ちゃんと今日も来るかな。事故にあったりしてないかな、元気でいるかな…」
もう心配で心配でたまらないのだ。
『この子は家には上げられない』と、あまり情が移らないようにするために作っていた心の中の壁のようなものが、なくなったのだと思う。
「ねえミケちゃん、うちに来てね。うちの子になってね」と、毎晩話しかけると、わかってるのか偶然なのか、「にゃ〜」とお返事をしてくれた。




(2012年11月 夫が撮影)



7月10日、まだ梅雨明けはしていなかったが、天気予報ではこのあと1週間くらい晴れだと言っていた。
よし、レボリューション(駆虫薬)を買いに行こう。そう決めて病院へ買いに行った。薬についての説明を受け、つけた後1週間くらいしてから家に入れた方が確実ですよと教えていただく。
じゃあ、今夜薬をつけたとして、連れてくるのは17日くらいだな。。。よし、決行!
その夜、ごはんを食べているミケちゃんの首に、薬をつけた。

それからは毎日、いつも以上にミケちゃんを注意深く観察した。
すると、両目からたくさんの涙を流していることに気づく。いつも暗くなってから会うので、見えなかっただけなのか。いったいいつからのことなのだろうか。見ているようでちゃんと見てなかったことに気付かされた。
やっぱり何かしら体に不調があるのだな。あぁ、一日も早く連れて来て、その不調を治してあげたい。
その気持ちをぐっとこらえて1週間後を待った。

が、しかし、16日から台風が関東にも接近し、大荒れになるという天気予報に変わった。17日まで待てないな。。。
「今夜連れて来よう!」15日の夕方にそう決心し、ごはんをあげる午後8時ごろ、キャリーバッグを持っていつもの駐車場へ向かった。


ミケちゃんは抱き上げても抵抗しないので、すんなりキャリーバッグへは入れられた。
が、その直後、聞いたことのない野獣の様な声を出して叫び続けた。
子どものころに捕獲され病院で避妊手術を受けた時の恐怖がよみがえったのかもしれない。自由に12年過ごしたネコさんが、こんな狭いところに閉じ込められたのだから、怖くてしかたないのだろう。

「ミケちゃん、大丈夫だよ。いっしょにおうちに行こうね。信じて、大丈夫だから」といったことを、私は家に着くまでミケちゃんに語り続けた。


家に着き、ミケちゃんがひとりでいられるように用意した部屋で、キャリーバッグのトビラを開けた。
飛び出したミケちゃんは、すぐに家具の下に隠れる。




「ミケちゃん、大丈夫。信じてね。これからはここでいっしょに暮らそうね。」
そう語りかけて数分後。。。




出てきました。
「ここ、どこ?」





やがてミルクも飲み、安心したのか、眠りはじめる。





ここまで2時間ほど。


ミケちゃん、大物である。
まだまだこれから、大物である場面に出会うことになる。


(つづく)



 
| ミケちゃんが家族になるまで | 15:28 | - | - | pookmark |