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絵本『たのしいピクニック』
昨年まで絵本の授業で非常勤講師を勤めていた3年間、助手としてわたしを支えてくれた平岡瞳さん(イラストレーター)がはじめて挿絵を手がけられた絵本『たのしいピクニック』(いしいむつむ・さく ひらおかひとみ・え/BL出版)が先日届きました!




封筒を開けてまず驚いたのが、色鉛筆画だったこと。
平岡さんは普段版画のお仕事が多いので、今回の絵本も版画だと思っていたのです。
ので、とても新鮮で感動。
1ページ1ページ、とても丁寧に楽しんで描いた事がよくわかる絵本です。
きっと平岡さんが描いているときにたのしかった想いが、読者にも伝わるんじゃないかな。


「いつか絵本の仕事をしたいんです」と出会ったころ話していた彼女は、3年目の授業のとき「じつは来年絵本が出るんです」と教えてくれました。
そういう経緯もあって手元に届いた絵本は、なんだか自分が初めての絵本『月のみはりばん』を出版したときのようにうれしい気持ちにさせてくれました。
わたしが『月のみはりばん』が出てしばらくの間、本屋さんに行ってはお客さんが絵本を手にとってくれるのをドキドキしながらながめていたように、平岡さんもどこかでドキドキながめたかしら。。。


『たのしいピクニック』、本屋さんでぜひご覧になってください!


ちなみに、平岡さんの版画は我が家にもひとつ。


昨年の夏の展覧会で、とても気にいって購入させていただいたクレヨン版画。
我が家のリビングに飾ってます。

いつか版画での絵本も見てみたいな。
わたしが書いたお話に絵をつけてもらうこともできるかしら。。。と一人勝手に妄想中。




| 本と絵本 | 12:10 | - | - | pookmark |
小さな絵本
今日はお昼から、ピンポイントギャラリーで開催中の『北谷しげひさエディトリアルイラストレーション展』に。
次々とお客さんが入っていて、とてもにぎわっておりました。
来週の土曜日まで開催なので、ぜひ!
(日曜日はお休みです)

その後は乃木坂まで足をのばし、『文化庁メディア芸術祭』が開催中の国立新美術館へ。




無料で見られることもあってか、ものすごい人、人、人!
ひとつひとつじっくり見るには、平日に来るべきであった。
あまり時間がなかったので、さ〜っと流してしか見られず、残念。
『トイレの神様with押尾コータロー』のアニメーションMVも、会場内のモニターでは、他の審査員会推薦作品と一緒にさわりの数秒が流れていたのみ。
フルバージョンは美術館内の講堂で、期間中何度かにわたり上映されていたようだ。
残念ながら今日は上映なし。
それにしても、このフェスティバル、わたしは今回のことがきっかけで知ったのだけれど、こんなにも毎年たくさんの人たちが見に訪れる、注目されているものだったのですね。
来年は、じっくり見てみたいなあ。


そして、空がすっかり暗くなってから帰宅すると、宅配ボックスにお届けものが。
注文していた小さな小さな絵本。



10センチ四方のピクシー絵本。
ピクシー絵本とは、1954年にデンマークで創刊され、現在もヨーロッパ各国で発行されているものらしいです。
日本でも1970年代の一時期に出版されたことがあるが、いずれも絶版になってるそう。
(購入したお店のサイトにそう記されてます)
これは、ドイツで出版されたもの。

あぁ、かわいい!!!






もう、たまりません。

他にもこの2冊を購入。



『ブレーメンの音楽隊』と『7ひきのこやぎ』。いずれもグリム。

この2冊を購入してますが、こんどの企画展『100人のグリム童話展』ではどちらも選んでおりません。
さて、それは後日また。


このピクシー絵本は、コチラのサイトで買えますよ。
BOOKCOURiER(ブッククーリエ)。

小さいけれど、結構なお値段のものもたくさんです。






| 本と絵本 | 00:41 | - | - | pookmark |
『ナゲキバト』
先日、遠く離れたところに住む友人の誕生日に何か本を送ろうと考えた。
クリスマスも近いし、何かクリスマスプレゼントにもなる本にしようと思って考えていた。
「クリスマス 本」のキーワードで検索して出てきた中に『ナゲキバト』があった。

『ナゲキバト』・・・あれ?この本、わたし持ってるぞ。
でも読んだ記憶がない。
本棚をしばしゴソゴソと探してみると、あったあった!



今販売されている装丁とは違うもの。
どうやら新装改訂版が今は売られているようだ。

わたしの持っているこの本の奥付をみたら、1997年の初版本。
記憶をたどってみると、そうだそうだ、渋谷のブックファースト(その当時は場所が今とは違っていた)の児童書フロアで、“おすすめの本”として置かれていて、装丁にもひかれたので購入したが、そのとき読みかけの本があったので、しばらく棚にしまっておいたらすっかり忘れてそのままに・・・。
10年以上ほっといて、ごめんよ〜。

でも、今こうやって思い出すためのでき事があったというのは、もしかしたら今がこの本との本当の出会いなのかもしれない。と、思うことにした。


両親を亡くした9歳の少年が、おじいさんと暮らしはじめた早春からその年のクリスマスイブの夜までのお話。
少年が日々の暮らしの中で体験するさまざまなことに対しておじいさんが暖かく見守り、かける言葉ひとつひとつに人間にとってとても大切なことがぎっしりとつまっている。
穏やかな流れの話の中で、実はとても深い内容が書かれいる。
わたしはいつものように、お風呂の中で読んだが、何度か泣きました、いや号泣に近い。
すばらしい本でした。


わたしは今の新装版よりもこの以前の装丁の方が好きなので、友人には古本を探して、この装丁のものを贈った。


内容がクリスマス・・っていうわけではないですが、クリスマスイブで終わるお話なので、クリスマスプレゼントにいいかもしれません。




カバーをとった本の表4(裏表紙)には、ヒイラギの絵。



いいお天気の週末ですが、今日も明日もお仕事です。
がんばるぞ〜!





| 本と絵本 | 10:10 | - | - | pookmark |
電子書籍化
出版業界に関係する仕事をしているにもかかわらず、わたしは電子書籍に無関心だった。
わたしは、たぶん読まないだろうから。
でも、絵本の世界でも、ここのところ契約時に電子書籍に関わる内容も盛り込まれるようになってきた。そして、実際動きつつある。
時代が変わっていくのなら、それを全面否定する気持ちはなく、電子書籍化することによって、いままでより広い層に絵本が広がる可能性があるのであれば、やってみるのもいいと思う。
本屋さんにはなかなか行けない人が、データでの絵本を購入し、興味を持ってくれるならそれはそれでいいとも思う。いろんな人がいるのだから。
ただ、紙に印刷し、製本した絵本があった上での電子化であってほしい。
あくまでも『本』が基本であってほしい。
だから、わたしの絵本も、印刷された本を残してくれるのであれば、電子化も承諾しようと思っている。

紙の質感、紙の感触、匂い、ページを手でめくるときの気持ち、本棚から引き出すときの気持ち、小さな子供が手に持って投げたり、かじったり、やぶいたり、いたずら書きしたり・・大切なことが、いっぱいある。
作家、編集者、デザイナー、印刷会社の人たち、製本所の人たち、営業の人たち、販促部の人たち、本屋さん・・・たくさんの人の気持ちと手間がかけられた本だから、手にしたときに喜びがある。
だから、電子書籍化が進んでも、本が世の中からなくなってほしくない。


世の中、無駄をなくしすぎている気がします。
本棚から本があふれたら、古本屋さんに売ったり、寄付したりすれば、また誰かに読んでもらえるのだし、たくさん読む人は図書館で借りればいい。
(かといって、図書館でかりる人ばかりだと、本が売れず、出版社と作家が苦しくなりますが)
便利になって、無駄や、面倒くさいことがなくなっていくことは、ほんとに進化していくことなんだろうか。
何か大切なものをなくして、ある意味後退しているような気もします。





先日ジャケ買いした、『ピスタチオ』(梨木香歩)
今読んでいる『対岸の彼女』(角田光代)が今夜読み終えそうなので、明日からはこれ!
新しい本を読み出す時は、ワクワクする。




| 本と絵本 | 00:12 | - | - | pookmark |
池田進吾(67)さん
ひとつ前の日記で『とりごえまり(45)』と書いたら思い出した。
ブックデザイナーの池田進吾(67)さんのこと。
(お知り合いではありません)

わたしは本屋さんで本を買おう!と思うとき、タイトルと装丁でほぼ決める。
ひきつけられるタイトルと部屋に飾りたくなるような装丁がそろわないと、読む気になれないのだ。
だから、もしかすると実はものすごくおもしろい本を逃している可能性もある。
でも、やはり装丁はゆずれない。

だから、必ず本を読む時は、装丁の絵を誰が描いているかチェックする。
名前を見る。
そんなわたしが数年前からたびたび目にしていたお名前が『池田進吾(67)』。
『この人67歳なのに、ずいぶん若々しい絵を描くなあ』などと、今思えばアホなことを思っていた。
『この装丁、いいなあ』と名前を見ると『池田進吾(67)』であることが何度もあった。


そして、先日わたしの憤慨事件『とりごえまり(45)』のことを絵本『トイレの神様』の編集者さんにお話したとき、
「とりごえさん、池田進吾(67)というお名前のデザイナーさんご存知ですか?」と聞かれた。
知ってます、知ってますとも。
しかし、そのときは何の本で見たお名前だったかしら・・・とはっきり思い出せず。

昨日、あらためてわたしの本棚をごそごそと探したら、あらまあこんなに・・・。




6冊も。
作家はいしいしんじさん、角田光代さん、森絵都さん。
たしか、いしいしんじさんの『みずうみ』の装丁で初めて出会ったのだと思う。

あっ、写真に撮るの忘れたけれど、森絵都さんの『カラフル』のデザインもそうである。

思った以上に“装丁・池田進吾(67)”率が高い本棚であった。
作品が好きな作家さんの本は、好きな絵描きさん(ブックデザイナー)が装丁をしていることが多いということですね。
作品の世界観、魅力を現すための“顔”が表紙なのだから、そういうことなのだろう。
きっと、またいつのまにか「装丁 池田進吾(67)」と記載されている本を買う事になるだろう。



そうそう、その講談社の編集者さんにお聞きして初めて知ったのだが、(67)は、67歳じゃなくて1967年生まれ・・・だったのだ。
よく考えればそうだよなあ、永遠に67歳のはずないのだから、そんなペンネームにしないよなあ。
池田さん、失礼しました。
わたしよりも若いのに。



| 本と絵本 | 21:42 | - | - | pookmark |
『猫を愛する人のための猫絵本ガイド』
先日、講談社さんから届いた本『猫を愛する人のための猫絵本ガイド』(さわださちこ著/講談社)。





猫好きの絵本コーディネーター・さわださちこさんが選んだ猫の絵本227冊が、とってもわかりやすく、愛情いっぱいに紹介されている本。
猫と暮らしている作家として、石津ちひろさん、どいかやさん、とりごえまりのインタビュー記事も載っています。

この校正(写真や文章などをチェックするもの)が送られてきたのは、ポロンが亡くなった約1週間後でした。
取材は、昨年の11月末。
(取材の模様はコチラ
まだポロンの頚に腫瘍はなく(あったのかもしれませんが、目立たず気付かなかったのかも)、元気いっぱいだったので、本に載っているポロンの写真はふっくらとしています。
亡くなったことを、編集者さんにお伝えし、このまま出版してもらえるようにお願いしました。
発売は5月末だったので、もうポロンはこの世にいませんが、この本はわたしにとっていい記念となりました。
三匹の歳の表示も昨年11月時点のものなので、ルルさん(10歳♀)、ポロン(8歳♂)、ニヤ(6歳♂)と書かれています。
最初の校正では、ルル(10歳♀ ロシアンブルー)、ポロン(8歳♂ ロシアンブルー)、ニヤ(6歳♂ 雑種)でしたが、修正していただきました。
なぜ修正していただいたか・・・については、ぜひ知っていただきたいお話なので、後日にゆっくりと。





ネコ好きにはたまらない一冊。
わたしも知らなかった猫絵本がたくさんあって、「これも欲しい、あれも欲しい!」と、わくわくしながらながめています。
実際にもう何冊か購入してしまいましたよ。

猫好きのみなさま、ぜひおうちに一冊を!




| 本と絵本 | 23:32 | - | - | pookmark |
ゴーゴーミッフィー展の図録
昨日と今日、お仕事関係のいろんなものが届いた。

まずそのひとつが、ゴーゴーミッフィー展の図録!




なんてかわいい!!!!
これ、表1(表紙)です。




これが表4(裏表紙)。




判型(タテ、ヨコのサイズ)はミッフィー絵本と同じで、厚みは40ミリ近くもありますよ。



図録が届いたってことは、ほんとにわたしのバースデーカードが展示されてるってことか?
・・・と、ちょっとだけ安心し、でもまだ少しの不安を抱えたまま、ドキドキしながら図録をめくる。




あった〜。(右ページ下)
ひと安心。
でも、会場に飾られてるところ見たわけじゃないし・・・と、この場におよんでまだ疑うわたし。

ちょうどそのちょっと後、友人から携帯にメールが。
「ミッフィー展、行ってきたよ。まりちゃんのカードいい場所に飾られてたよ!」と。

は〜、これですっかり安心。

図録は、展示されているミッフィーの原画を始め、ポスター、ブルーナさんのインタビュー記事・・・と、もりだくさん。
図録のアートディレクションは、祖父江慎さん。
紙のチョイス(ページによって紙質が違う)、しおりひもが3本(赤、青、黄)ついていること、裁断面(天、地、小口)が黄色に着色されていること・・・もう、なんて贅沢な作りの本なんだろう!
これ、いったいおいくらで販売されてるんでしょうか。
(図録自体に価格が印刷されておらず・・)


そうそう、後ろ見返しには、CD付き!



さくらももこさんが作詞したミッフィーへのバースデーソングが収録されてますよ。
子どもたちが歌ってて、かわいいのです。


ミッフィー展に行かれる方は、これ、買った方がいいですよ!



| 本と絵本 | 22:49 | - | - | pookmark |
薙野たかひろさんの作品集
薙野たかひろさんは、わたしが尊敬するアーティストのひとりだ。

薙野さんの絵に初めて出会ったのは、大学を出て何年かたったころだったと思う。
リクルートの雑誌『B-ing』の表紙、帽子のシルエットのイラストだった。
バック(背景)の色とその帽子のシルエットの色合いが、とってもきれいだったことを覚えている。
そのイラストは薙野たかひろさんという人が描いたということを知り、新宿のスタジオアルタのポスターはこの人が描いているんだ・・・ということも知った。
金沢の美大を出てこちらへ出てくるまでは、アルタのポスターを見たことがなかったので知らなかったが、1983年から描かれていたようだ。

その後、わたしがコージー本舗(以前、この日記でも書いたオサムグッズを企画していた会社)のプランナーだったとき、この薙野たかひろさんとお仕事をすることになる。
あこがれの方との仕事。
薙野さんが描いたイラストをグッズにする仕事だった。

アトリエに原画を受け取りに行き、いろんな話をし、一緒に考え、楽しいもの作りをできた数年間だった。
薙野さんのセンスを学ぶ事ができた日々でもあった。
そして何よりもうれしかったのは、わたしにとってはものすごく憧れの大物イラストレーターであるにもかかわらず、気さくに接して下さったことだった。
とてもフレンドリーなお人柄に魅了され、本当に楽しい日々だった。
どんなに実力があり、たくさんお仕事がある方でも、仕事に対する熱意や楽しくものを作る姿勢を忘れずにいる姿を見て、わたしはたくさんのことを学んだように思っている。

わたしが会社を辞めてからも、薙野さんとは何度かお会いしたり、電話でお話したり、なんだかんだともう15年以上のおつきあいである。


その薙野たかひろさんの作品集『HELLO NAGINO POSTERS』が出版された。
1983年から20年間のアルタのポスターが、とてもぜいたくな作りの一冊に、素敵におさめられている。




このからし色のカバーの内側は、グレーの表紙に黒一色の印刷。




この顔の部分はエンボス加工も。(デコボコとしています)





ポスターは、年代順には並んでおらず、ベストである順番を、薙野さんとスタッフがじっくり決めたのではないかと思われる。
書体の選び方、紙の使い方(とってもいい紙を使っています)・・・どこをとっても『薙野たかひろ』になっていて、とても愛情をこめて大切に作った一冊であることが伝わって来る。









一冊を見終わったあとは、ハッピーな気分になり、すばらしいセンスにため息がでた。
そして、このアーティストと一緒にお仕事していたことを、誇りに思った。


作品が印刷されているページの後に、薙野さんの言葉が載っている。
アルタのポスターを作っていたときのことが書かれている。
その文の最後の一行で、わたしは泣きそうになった。

『楽しいものを作るには、楽しい気分でいることが大事と信じてました。今でもそう思います。』


ものを作り続ける上で、誰もが苦しいときも少しはあると思う。
でも、薙野さんの中にはこの気持ちがいつもあるから、きっと見ているわたしたちがハッピーな気持ちになれるんだろうなあ。
わたしも、この言葉を忘れないようにしようと思う。


どうぞみなさんも、ぜひご覧ください。
ハッピーになれますよ。

HELLO NAGINO POSTERS』(朗文堂)




| 本と絵本 | 23:01 | - | - | pookmark |
『八日目の蝉』
昨日読み終わった本、『八日目の蝉』(角田光代)。




ここ数年読んだ本の中で(といってもそんなに多くはないが)、一番だった。
その先どうなるの?それから?・・・と止められなくなって、ほとんど毎晩お風呂でのぼせていた。
(何度かこの日記で書いているが、わたしの読書タイムは夜眠る前の半身浴タイム)
あっ、そのせいで風邪ひいたのかな。
お風呂の時間だけでは我慢できずに、お昼休み(お昼ご飯の後)にも読んだくらい、止められなかった。

0章と1章、2章から成り立っている話なのだが、1章が終わったところで、ゾワゾワッと鳥肌がたった。
不思議な鳥肌のたち方だった。感動という言葉ではぴったりしないし、怖いとかいう感覚でもない。


最後は、泣いた。
お風呂で鼻水をズルズルすすった。
でも、やさしい気持ちが心に残った本だった。


犯罪者となる女性が主人公なのだが、わたしはこの犯罪者に心動かされた。
自分を重ねていろんなことを考えた。
この女性は子どもを産んではいないが、子どもを育てる。
不倫相手の赤ちゃんを誘拐、逃亡し、育てる。
その複雑な愛を感じながら、同じく子どもを産んだことがないわたしも、赤ちゃんがもしも目の前にいて、なんらかの事情で自分が育てることになったら、こんなかなあ、あんなかなあ・・・と想像して、なぜだか自分も育てた事があるような気持ちになった。
(誘拐したことはありませんよ)


もしかして、この本は母性をもつ人、女性の方が感動するのかなあ・・・とも思ったけれど、この本を知ったきっかけは、テレビでお笑いの太田光が絶賛していたことだった。
だから、男性も感動するってことですね。




八日目の蝉・・というタイトルがつけられていることが、また感動します。
それについては、せひ読んでみてください。


| 本と絵本 | 22:22 | - | - | pookmark |
『風に舞いあがるビニールシート』
少し前に読み終えた本、『風に舞いあがるビニールシート』(森 絵都)



表4(裏表紙)に書かれた内容紹介文の中に『自分だけの価値観を守り、お金よりも大切な何かのために懸命に生きる人々を描いた6編。』とあり、なんだかとっても惹き付けられて購入した。

6編の主人公は、みんな年齢も環境も職業も全く違い、かかえている大切なものも当然違う。
ひとつひとつお話の色が違っていて、最後まで全部が楽しめた本であった。

そして、この本を購入した直後、表題にもなっている1編、『風に舞いあがるビニールシート』がNHKでドラマ化、全5回放送されることを知った。
しかも、次の日から!
う〜ん、先に本を読むべきか、ドラマを見るべきか・・と悩んだ結果、『風に舞いあがるビニールシート』は第6編目であるため、他の5編をゆっくり読み進める間にドラマを見て、ドラマを見終わったころ本の『風に舞いあがるビニールシート』を読もう、と決めた。
しかし、結局、どんどん読んでしまって、ドラマが終わる前に本は読み終えてしまったのだった。
ドラマの方は昨夜で終わった。
わたしは録画してある最終回のみまだみていないのだけれど。

ドラマはやはり脚色されているため、本とは違う部分もあった。
そして、主人公の夫役であるエドをクリス・ペプラーさんが演じたのだけれど、いつもJ-waveのナビゲーターとしての声を聞き慣れているためか、何を話してもラジオを通して聞いているような気がして、ちょっと違和感があったのはわたしだけだろうか。


お金は、家に住み、ごはんを食べて、高価ではなくても気にいった服を着る、そういう生活をする最低限の量は必要だと思う。
それが危うくなると、心がすさんできて、何に対しても余裕がなくなる。
でも、それ以上の贅沢をするためのお金は、たまにあってもいいなあと思う瞬間もあるけれど、基本的には、自分にとっての『大切なもの』を知っていて、その価値観を守る生活ができれば、それほど必要ではないと思う。
でも、そういう考えでいいのかなと迷うときがあることも事実で、ちょうどそんなことを考えていた時期にこの本に出会った。
そして、これでいいんだ、と思えた。


とってもいい本です。おすすめです。



| 本と絵本 | 16:16 | - | - | pookmark |
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